「SEOはまだ稼げる!」という動画の右上に「プロモーション」と書かれていた時点で、私は動画を閉じた

最近、YouTubeでSEO関連の動画をいくつか見ていた。

AIの普及で「SEOは終わった」「個人ブログは厳しい」という話ばかり流れてくる中、一つだけ妙に元気な動画があった。

「まだSEOは十分戦えます!」

お、珍しく逆張りか。

そう思って再生した。

……そして数秒後、動画を閉じた。

理由は内容ではない。

画面右上に表示された、**「プロモーション」**の四文字だった。


「なるほど、営業なんですね」

もちろん、プロモーション動画だから嘘だと言いたいわけではない。

広告なのだから、自社の商品やサービスを紹介するのは当たり前だ。

問題はそこではない。

その会社はSEO対策を売っている会社だった。

つまり、

「SEOはまだ稼げます!」

と言わなければ商売にならない立場の人が、

「SEOはまだ稼げます!」

と熱弁している。

八百屋が「野菜は健康にいいですよ」と言うのと同じである。

間違っているとは限らない。

しかし、聞く側としては「そりゃそう言うよね」で終わってしまう。

最近のネットユーザーは昔ほど素直ではない。

何を言っているかより、

「その人は、その発言で誰からお金をもらうのか」

を見るようになっている。


もっと気になったのは、別の矛盾だった

私が一番引っかかったのはそこではない。

もっと単純な話だ。

その会社はSEOの専門家である。

つまり、本当にSEOが今でも強力な集客手段なら、自分たちが一番それを使いこなせるはずだ。

では、なぜ広告を出しているのだろう。

SEOだけで顧客が集まるなら、広告費はゼロ円で済む。

広告を出すということは、

SEOだけでは取り切れない顧客がいる

と、自分たちが一番よく知っているということでもある。

もちろん広告とSEOは併用するものだ。

マーケティングを少しでも知っていれば、それは常識である。

だから広告を出すこと自体を批判するつもりはない。

ただ、

「SEOだけで十分です!」

というメッセージと、

「数百万円の広告費をかけて集客しています」

という行動が並ぶと、どうしても違和感は残る。


AIが変えたのは、SEOではなく検索そのもの

そもそも最近は、Googleで検索する前にAIへ質問する人が増えている。

私自身もそうだ。

技術的な調査なら、まずChatGPTやClaudeに聞く。

そのあと必要なら公式ドキュメントを読む。

検索エンジンを開く回数そのものが減っている。

この流れは、多くの人が体感しているはずだ。

だから「SEOは終わった」という話も極論だし、

「SEOはまだ最強」という話も極論である。

現実はその中間だ。

SEOは今でも重要だが、以前ほど圧倒的ではなくなった。

だから広告も使う。

SNSも使う。

メールも使う。

AIにも最適化する。

結局、集客チャネルが一つ増えただけの話である。


本当に売っていたのはSEOではなかった

結局、その動画は最後まで見ていない。

だから内容が素晴らしかった可能性は否定できない。

ただ、一つだけ思った。

あの動画が売っていたのはSEOではない。

「まだ大丈夫ですよ」という安心感だった。

人は「もう厳しいです」と言われるより、「まだ間に合います」と言われる方が財布を開きやすい。

だから、その商売自体を否定する気はない。

ただ、皮肉なことに、その動画で一番説得力があったのはSEO論ではなかった。

右上に小さく表示されていた、

「プロモーション」

という四文字だったのである。