「もうAI同士で話してくれ」と思った日。そして最後に残る人間の仕事

最近、作業をしていて、ふと思った。

「これ、人間が間に入る必要ある?」

いや、人間はいらないと言いたいわけではない。

でも、今やっている”伝書鳩”みたいな仕事は、本当に人間がやるべきなのかと思ったのだ。


今のプロジェクトは複数チームで開発している。

別システムの担当がいて、テスターがいて、私たち開発チームがいる。

面白いのは、それぞれのチームがAIを相棒にしていることだ。

テスターはAIにコードを読ませ、バグ報告を書かせる。

その報告には「このファイルの何行目」「こう直せばいい」という説明まで丁寧についている。

こちらは、そのMarkdownをAiに読ませて修正する。

あるいは別システムへ依頼を出す。

相手もAIを使って修正する。

ここまで来ると、人間はAIが書いたMarkdownをSlackへコピペしているだけである。

そこで思った。

「SlackのMCPでAI同士につないだら終わりじゃないか?」

テスターAIが修正依頼を書く。

Slack経由で開発AIへ渡る。

開発AIがコードを書き換えてPRを作る。

人間は最後にレビューしてマージする。

……何だ、こっちのほうが自然じゃないか。

少なくとも、私がMarkdownをコピペするより速い。

今度、本当に提案してみようかと思っている。


この話を考えていたら、昔読んだ航空業界の未来予測を思い出した。

AIが飛行機を操縦するようになる。

離陸も巡航も着陸も自動。

ではパイロットは何をするのか。

答えは、

「モニターを見る。」

それだけである。

ここまではまだいい。

怖いのはその先だった。

ちゃんとモニターを見ているか確認するために、

視線を追跡する。

心拍数を測る。

居眠りしていないか監視する。

つまり、AIを監視する人間を、さらにAIが監視する。

読んだ当時は、

「さすがにSFだろ。」

と思った。


でも最近は、少し笑えなくなってきた。

もし開発現場でも、

AI同士が仕様を受け渡し、

AI同士がコードを書き、

AI同士がレビューし始めたら、

人間の仕事は何になるのだろう。

最後の承認ボタンを押すことだろうか。

あるいは、

「ちゃんとレビューしていました」

という証拠を残すことだろうか。

そうなると、

「○○さん、過去15分間、レビュー画面を見ていません。」

「視線が外れています。」

「心拍数が低下しています。」

そんな通知が飛んできても不思議ではない。


技術そのものは歓迎している。

AI同士で勝手にやり取りしてくれるなら、そのほうが効率はいい。

人間がMarkdownをコピーしてSlackへ貼る仕事なんて、真っ先になくなるべきだと思う。

ただ、自動化の歴史を見ていると、一つだけ嫌な予感もする。

人間は単純作業から解放される。

その代わり、人間は 「ちゃんと監視しているか」を監視される側になる。

便利になることと、自由になることは、どうやら同じ意味ではないらしい。