Claudeがガス欠したらCodexへ。AI同士で引き継ぎさせたら、開発が止まらなくなった

最近、Claudeのガス欠が増えた。

理由ははっきりしている。

Fableを使うようになったからだ。

以前のOpusでも十分優秀だったが、Fableは難しい設計や実装になるほど、「もう少し考えさせよう」と仕事を投げたくなる。設計、レビュー、調査までまとめて任せるので、一回のセッションがどんどん長くなる。

当然、トークン消費も激しくなる。

サブスクリプションでClaude Codeを使っている人なら分かると思うが、コマンドを打つとガソリンメーターのようなもので残量を確認できる。

以前はそれほど気にしていなかったが、最近は気が付くと危険ゾーンに入っていることも珍しくない。

そして困るのは、ガス欠になるタイミングである。

「あと30分あれば、この機能が完成する。」

そんな時に限って利用枠が尽きる。

人間ならコーヒーでも飲んで一息つけば仕事を再開できる。しかしClaudeはそうはいかない。利用枠がリセットされるまで数時間待つしかない。

さすがに毎回これでは効率が悪い。

そこで最近は発想を変えた。

Claudeが止まったら、そのままCodexへ仕事を引き継げばいい。

問題は能力ではなくコンテキストだった

少し前なら、この方法はあまり現実的ではなかった。

途中からCodexへバトンタッチしても、前後の流れを説明するだけで一苦労だったからだ。

しかし最新のCodex(GPT-5.6クラス)はかなり賢くなった。

私が普段やっている開発なら、コンテキストさえ渡してしまえば、Opus 4.8と遜色ないレベルで仕事を続けてくれる。

つまり問題は能力ではない。

前のAIが何を考えていたかを、どう渡すか。

そこだけだった。

コミット時に引き継ぎ資料を自動生成する

私がやっている仕組みは意外と単純である。

Claude側には、コミット時に引き継ぎ用Markdownを自動生成するスキルを組み込んである。

出力している内容は、

といった情報だ。

人間向けというより、次に仕事をするAI向けの引き継ぎ書である。

Codex側は起動時に読むだけ

一方、Codex側ではAGENTS.mdへ次のような指示を書いている。

起動時に、まず「******」を必ず読み込んでください。

このファイルから前回の作業状態とコンテキストを把握した上で、
次のユーザー指示を待ってください。

これだけで、Codexは起動すると最初に引き継ぎ資料を読み込み、

「前回はここまで終わっていて、次はこれをやればいい」

という状態から作業を始めてくれる。

人間が毎回説明する必要はない。

デメリットもある

もちろん欠点もある。

一つ目は速度だ。

コミットのたびに引き継ぎ資料を書き出すので、ほんの少しだけ待ち時間が増える。

とはいえ10秒程度なので、私はあまり気にしていない。

問題は二つ目。

この仕組みはコミット時に動く。

つまりコミットする前にガス欠すると、その最新の作業内容は引き継ぎ資料へ反映されない。

だから私は燃料計を見て、

「そろそろ危ないな」

と思ったら、一度コミットするか、手動で引き継ぎ資料だけ出力するようにしている。

三つ目は、モデルを切り替えることで、少し頭が悪くなる可能性があることだ。

普段の開発ならGPT-5.6でも遜色なく続きを進められる。しかし、Fableに任せていた難しい設計や実装をそのままGPT-5.6へ引き継ぐと、推論の深さや判断の精度が少し落ちるかもしれない。

そのため私は、Fableが直前まで進めていた作業については、無理に別のAIへ引き継がせず、利用枠が解除されるまで待つことも多い。

ただし、何もせずに待つわけではない。

その間はCodexで、別の機能、調査、修正など、ほかのタスクを進めるようにしている。

同じ仕事を無理にリレーするのではなく、作業タスクを振り分ければ、開発全体を止めずに済む。

作り方はClaudeに聞くのが一番早い

「どうやって作るの?」

と思うかもしれない。

しかし、この手の設定は人間がネット検索するより、Claude本人に作らせたほうが早い。

例えば、

Claude緊急停止時に備えて、Codexへ作業情報を同期・引き継ぎする仕組みを作りたい。コミット時に引き継ぎ用Markdownを出力するスキルを作れ。

さらに、

Codex側でこの引き継ぎの仕組みを作成するための指示プロンプトも作って。Codexのコンソールに貼り付ける。

と頼めば、自分のプロジェクト構成に合わせた設定まで提案してくれる。

AI同士で引き継ぐ時代

昔は引き継ぎ書というと、人間が読むものだった。

担当者が変わる時に、「ここは気を付けてください」と書き残す。

今は少し事情が違う。

引き継ぎ書を読む相手はAIである。

Claudeがガス欠したらCodexへ。

Codexで続きを進め、利用枠が戻ったらまたClaudeへ戻す。

そんなリレーが普通に成立するようになった。

数年前なら「AIがAIへ引き継ぎ書を書く」などSFの世界だった。

開発者がAIを使う時代から、AI同士を連携させる時代へ。

同一のAIの中ではエージェントを使って実現できているが、異なるAI同士だと、まだ荒削りな部分がある。

とはいえ、1年後には、なんでこんな原始的なことしてたんだ、俺?

とブログを見返していると思う。